経済・政治・国際

不況失業と就農

失業救済の緩衝地帯になれるか農業 

2009.1.19.

低い食料自給率や高齢農業者など農業が注目されるムードに覆いかぶさるように、金融不安に端を発した世界的不況で職を失った人達の救済問題の受け皿に就農が浮かび上がってきている。

農村と農業は不況失業の一時避難の役割を果たした歴史がある。その頃の農業は労働力が人畜中心であり、自給自足色の濃い家族経営であった。その中に受け入れられる失業した身内が働くのはいまでいうワークシェアリングで、家族一人当たりの労働時間を減らしながら経営総収入は増えなかった。

今は機械化や農薬など技術の進歩で50年前より面積当たりの労働雇用は10分の1から20分の1に減り損益分岐点は高くなっている。総収入に占める労働貢献は少ないのである。

現在の社会は魚屋・肉や・八百屋に代表される「や」と名づく自営業は少なくなり職業は分業化・細分化して専門的になっている。農業は稲作技術や畑作・果樹栽培と呼ばれるように播種から収穫まで一貫技術である。職能が対照的に展開した50年間であった。

こうした点を考慮すると農村と農業が失業救済の緩衝地帯には成りにくいだろう。

だが林業は可能性が高く林業者と新規就業者相互にメリットがあるのではないか。外材におされて林業経営が成り立たなくなって久しい。間伐や枝打ちなどの費用が捻出できず管理されない数十年が過ぎ、このままでは良材の生産が危ぶまれる。細々とではあるが補っているのは市町村毎にある森林組合だ。林野庁が補助金で支えている。

農作物は一年完結の春夏秋冬の適期作業だが、林業の適期作業は数年から十年以上の幅があり四季を問わない。枝打ち間伐が遅れている杉林は多いしまだ作業適期である。しかも職人技ではあるが習得すれば年間就労できる。

国も社会も森林を保守管理する金と労力を他産業にまわして来たが、労力の有り余る今はチャンスではないか。各地の森林組合や旧緑資源機構の発言が待たれる。

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大きなクリスマスプレゼント

東芝の柏崎新工場への期待 2008.12.25

突然に東芝が柏崎に工場を建てリチウムオンウム電池を製造するニュースが流れた。人口が減り高齢化が進み中越沖地震が追い打ちをかけて意気の上がらない柏崎にこれほどの大きな明るい話はない。世界的な金融危機でトヨタでさえ赤字決算を見込み柏崎の有力企業のリケンが派遣社員の解雇に追い込まれる中で、なぜ今ビックリする大情報が飛び込んできたのか推測してみたい。

市長選挙は激戦だったが、東芝柏崎進出の情報を察知し誘致の功績を選挙戦で訴えれば有権者の心をつかんで勝敗の行方を左右したと思われる。それほどの値打ちのある情報が選挙戦の前にも最中にも流れなかった事は何故か。きわめて高度の政治決断で極秘事項であったと思われる。東芝の新工場建設はかなりの期間検討されたはずである。田中角栄元首相のコンピユウター付ブルドーザーを思い出させる発表である。

柏崎刈羽は原発があり再稼動が地元も国も優先課題である。だが柏崎市の衰えは地震以前からであり原発の存在が複雑に絡み合っているのは、「口にする人、しない人」の違いはあっても暗黙の合意があるようだ。観光業関係者の中には「原発は百害あって一利なし」と公言する人もいる。

原発は関連企業と従業員を潤したが、若者の大半は域外に去り地域は高齢化の波におおわれて活力が衰えている。もちろん原発立地のせいだけではなく農業の足踏みなど諸々の要件が相互に悪作用しているだが・・・。

なにはともあれ原発立地、しかも世界一の原発基地である柏崎市の衰退はこれから進める新原子炉の建設や放射性廃棄物の処理やプルサーマル推進など原発行政の障害にこそなれ応援にはならない。これに政財界や原発関係者が危機感を持ったとしても当然である。

リチウムイオン電池製造の工場は柏崎が最適地である説明はない。現在稼動中の長野県佐久市と比べて電力料金割引を考慮しても優位性があるのか。工場立地のマイナス要因を乗り越えても、電源立地の衰退に歯止めをかける高度な政治的配慮が東芝のみならず政界財界にある、と考えるのは穿ち過ぎか。

柏崎刈羽の人口構造は子供の生める年代層が薄くなっている。青壮年層が少なく労働力の質は高いとは言えない。東芝の最先端技術工場が操業することは中堅社員が柏崎へ移住する事になるだけにその活力は経済効果にとどまらず生活慣習・文化に人的資産効果が及ぶ期待は大きい。原発企業の中堅社員が数年間の渡り鳥人事で人的資産効果の波及に限界があり原発効果を発揮できなかっただけに、東芝の人事政策も注目される。

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刈羽村の可能性②

原子力発電所の安全と安心   2008.11.8

柏崎駅までタクシーに乗って年配の運転手さんの話を聞いた。「金曜日の夜でも飲み客が少ないし大体今の若者は会社の宴会を喜ばない。しかも若者が少なくなった。親は息子・娘に教育を惜しまず金をつぎ込み都会へ送り出し、磨かれて立派になった子供達は柏崎刈羽へ帰って来ない。遊び盛りの若者が減り外で飲むより家でテレビの熟年が多ければ夜の町は活気がない」

原子力発電所が地震で運転停止して15ヶ月、高い重油を炊いて発電して電気料金はまもなく大幅値上げになる。原発の効果は社会や生活の隅々に浸透している。これ程の大きな役割を果たしている原発の柏崎刈羽の人口が減りしかも将来を担う若者が減って高齢化率がだんだん進む。

一年ごとに年を取るから老人が増えているのは長寿のあかしで目出度いが、保育所が統合されて一ヶ所になったことが示すように幼児が激減している。子供を生む年代層が20年間で半減しているし、毎年20歳前後の人口が激減しているのは就職進学で刈羽村を離れているのだろう。子供を生めない世代の比率が増え、育てた子供も成人になって出て行く。

原発は東京に利益をもたらしているが、人口の推移から見れば刈羽村の発展を疑問視している村民が多いという事が読み取れる。電源三法資金や関連の支援はあっても就職など生活にさきざきの不安を持っているからであろう。

原発が発電を始めてから20余年、取り立てて大きな事故もなかったが、中越沖地震では今もって運転停止している程だから村民は肝を冷やした。国も東電も安全安心を繰り返し宣伝してきたが、自然の威力は人間の技術を乗り越えることが珍しくないと実証したのだ。

原発は必要だが安全と安心に最大限の努力と資金と技術をつぎ込んでも「絶対の安全」はあり得ない、というのが国民の共通認識だろう。だからゴミ捨て場と原発は遠い所にあったほうが良い、と誰もが本心では思っている。

柏崎刈羽の中から中越沖地震で東京都知事からお見舞いがないのはおかしいという意見があったのは、都民の本心を見通し重い荷物を背負わされている意識のあらわれである。

 刈羽村にとって原発の「安全と安心」とは何が目安となるか。刈羽村と柏崎市および隣接市町村以外の地域、すなわち東京・大阪・名古屋・横浜などの経済人が刈羽村柏崎市に工場を作り、レジャー施設を作るような投資をすることである。経済人は危険のある場所には3050年を見越した投資はしないからもし実際に投資をしたら刈羽村柏崎市の安全を信頼したことになる。

 柏崎からNECと小松エストが撤退したが原発に関係があるかどうかは分からない。だが柏崎の有力企業が次の設備投資の時期はいずれ来る。その時どのような判断をするか注目される。原発関連企業の社員が村民として定住するかどうかも気になる所だ。地震対策以上に投資と定住対策に知恵を絞らなければならない。原発と共存するのだから恐いところも良いところも知り、活用をしなければならない。国の安全宣言の効果より投資をしたくなる環境、すなわち経済特区などの手段が刈羽村が活性化する切り札になるのではないか。子供が減り若者が減り高齢化が進みながら人口が減って行く刈羽村は原発の活用の仕方を間違っていたのではないか。

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柏崎市長選挙⑧

桜井雅浩さんの行政改革に期待 2008.11.6

1031日柏崎産業会館で柏崎市長候補予定者、会田洋市長と挑戦者桜井雅浩氏の公開討論会を傍聴した。2時間という限られた時間の中で討論題目が多すぎて、両氏の違いが際立つ事無く聴衆は理解しにくかったのではないか。

産業振興や医療福祉は決め手のないテーマで、無理に特徴を出そうとすれば空理空論になる。また柏崎をどう思うかと語っても文化論になって多数の聴衆に向かっての政治討論にはなりにくい。柏崎の人口減と進む高齢化率に歯止めをかけられれば解決する問題である。人口構造から自然減は止まらない、なら社会増をいかに計るか。原発との関連はどうか、聞きたいところである。

 政策討論としては地震復興・行財政改革・原発が市民の関心も高く両氏の違いも分かりやすい。地震復興に国の補助が十分か不十分か現職市長と挑戦者の立場の違いから当然見解の分かれるところだが、直接聞けて参考になった。桜井氏がこれまで長期間にわたる原子力発電の功績が織り込まれた支援ではないとの指摘は、共感出来る事で挑戦者の気楽な公約と軽くいなされるものではないだろう。ただ桜井氏も行動力や政治手腕で解決すると訴えるのではなく、具体的な手法が聞きたかった。原発推進派として人口減若者不足の原因をどう捉え、対策を取るのか。

 また地震復興支援という問題から切り離して、原発の貢献度は原発と共存するリスクと釣り合いが取れているのか。電源三法がらみや趣旨を同じくする各種補助金や原発立地擁護策がありながら人口が減る現実がある。これをどう考えるのか、討論を掘り下げれば行き着くとこだけに時間が足りないのは惜しいことだった。

 この問題は原発推進派を自認する桜井氏と反原発グループを有力な支援者とする会田市長のカラーを鮮明に浮かび上がらせると思う。両氏とも東電原発を地域発展の中核に位置付けて共通の基盤に立っている。推進派の桜井氏がこれまでの貢献が評価されていない震災復興と述べるに止まらず効果的で分かりやすい支援獲得を示して欲しいし、会田氏は原発リスクの御旗を掲げ続けているグループがどのように評価しているのか市民は知りたいだろう。

 桜井氏が国と東電を二つの事業者と表現したのは的確で分かりやすい。会田市長も表現は違っても認識は同じである。原発があり日本経済に貢献している事実の前に共通基盤に立つのは当然である。桜井氏は伝統的な推進派を引き継ぎ、会田市長はこれも歴史と伝統のある反原発グループをまとめている。両氏の支持母体の発言が極めて乏しい事が選挙戦を分かりにくくしているようだ。

 行財政問題は一般には馴染みにくい性質ではあるが、桜井氏の市職員30%カットを柱とする公約はナンギするだろうが、避けて先送りすれば誰もが柏崎を避けて人口が減る。消費税を言えない自民党、減反を黙って追従する農協が支持を減らしているのと同じ理屈だ。あえて掲げる桜井氏に期待したい。

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柏崎市長選挙 ⑦

原発を争点に柏崎市長選挙を    2008.9.17

市長選挙投票日まで2ヶ月を切った。桜井陣営が選挙公約を8月に発表し先日会田陣営も発表した。原発の賛成・反対をめぐる柏崎の歴史的論争は両陣営の盛り沢山の公約に埋もれて焦点にならない。原発が稼動し多大な貢献をしている実態がありながら、何故か反原発運動がそれなりの勢力を持ち、現会田市長の誕生の原動力になった。だが現実に目をつぶった不毛の論争であったことは、政権与党の一角に食い込んで現職市長の再選を担う立場になって海から上がったサザエのように口を閉ざしているのが証明している。

これで原発との共存を大前提とした柏崎刈羽の発展の方法論争のかみ合う条件が整った。すなわち中越沖地震で発電出来なくなった原発再稼動をめぐり国と東京電力に柏崎刈羽が何を要求すべきか、会田方式と桜井方式を有権者に問いかけてこその市長選挙である。

原発は国のエネルギー政策の根幹を成すものであれば、凍結や廃炉の選択肢はない。安全に最大限の努力を払っての再稼動になるが、原発が開発途上の技術であれば「絶対の安全」はありえない。地震はそれをまのあたりに見せた。絶対の安全は保障できないリスクをこれまで住民は背負って来たし、これからも背負って行かねばならない。東電や原発技術関係者の「最高の叡智」と「絶対の安全」の間に横たわる大きく深い溝を埋める、それが柏崎刈羽の人口を増やし経済が発展する基礎である。

だが、会田公約も桜井公約も国の安全確保をもって再稼動としている。それでいいのかと問いたい。これまで国も東京電力も安全の確保には十分な努力をしていた。だが大自然の威力の前には当時の最高の叡智もこのような状況になる。技術を超える自然災害が皆無になる事はない。また国家の経営を考える時、一罰百戒 一殺多生は当然で国権発動の極地が戦争である。東京から見ればはるかな僻地で原子力発電をするのは国家の立場で考えれば当然である。

東京の僻地であっても住民感情は柏崎刈羽が原発のリスクを負わされて人口が減り経済が衰えるのでは面白くない。「技術の最高の叡智」と「絶対の安全」の間にある大きな溝を埋める政策こそありがたい。その手法を掲げた市長選挙を有権者は期待しているのではないか。

例えば直江津に新幹線が通るが、長岡ー柏崎ー直江津をフル新幹線で結べば柏崎刈羽への経済効果は大きい。採算新幹線ではなく政治新幹線だが原子力発電30年の貢献を思えば奇想天外でもあるまい。駄法螺ついでにもうひとつ、上海・香港・ソウルにあって日本にないもの、それは楽しいカジノだ。経済特区で刈羽砂丘にカジノが出来れば千客万来である。地震見舞金で観光振興宣伝などせこいことより大きな夢をみたいもの・・・。

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柏崎市長選挙⑥

西川支持者との融和なるか 2008.7.16.

桜井氏15100票 西川正純氏16200票 会田氏17000票で単純図式では保守分裂の間隙を会田革新が衝いた勝利であった。今回は西川正純前市長が立候補せずに桜井・会田の決戦となっている。単純化した保守と革新の票数は保守31300と革新17000の対決である。合併した西山町と高柳町が投票に加わるが大勢を覆す有権者数ではない。

会田現市長が革新勢力を足場にしつつも市政を担い、しかも中越沖地震の復興指揮は現実との向き合いとなり保守層にも支持を広げたであろう事は想像に難くない。しかし昨春の県議選で自民党は三富氏と東山氏が当選し民主系候補を激戦の末せり落としている。かくも強い保守基盤を持ちながら桜井陣営優勢の声が聞こえにくい。

西川正純氏と桜井雅浩氏は今年になってから5回の会談をしている。当然現市長を相手とした選挙戦略であり西川・桜井両氏の立候補調整だろう。結果において桜井雅浩氏が市長選に名乗りを上げ西川正純前市長が断念して現在の形である。

しかし、会田陣営の幹部が広言するように西川支持者には4年前の惜敗の要因は会田より桜井だとの感情が強い。5回あった西川・桜井会談でも詰められず、桜井選対でも詰めきれないのが西川支持者の取り込みである。西川前市長の経験と行政手腕をどのように活用するか、桜井雅浩氏の知恵の見せ所だろう。

原発再稼動の条件

桜井氏は原発賛成派の自他ともに認めるリーダーである。データー改ざんなどいわゆる東電不祥事が続発して原発容認派なる名称が出てきたが、容認とは「本来嫌だけれども仕方なく認める」というニュアンスである。大方の賛成派が容認派に衣替えした。産業界や政界のリーダーが容認派に転向してから柏崎刈羽の原発への姿勢に腰が引けたのではないか。

 桜井陣営の政策パンフにも原発再稼動はあるが、会田陣営の主張との違いが明確でなく原発賛成派リーダーの面影が感じられない。原発推進を柏崎発展の基軸にすえるなら「安全と安心」のスローガン政治・標語政治から脱して、市民に分かりやすい具体的な公約を掲げるべきだろう。原発推進18年の真骨頂を示して頂きたい。

 石油の高騰が全国一斉休魚なり、台湾・中国・イタリア・フランスなども同じで世界現象になっている。エネルギーが社会を支えている様子が手に取るように見えてきた。技術的に未完成の原子力発電ではあるが、廃炉・凍結などは不可能で引き返す事は出来ない。          

 エネルギーの重要性に人々は気づき始めた。原発の危険は柏崎刈羽が背負い電力の恩恵で東京が潤う不公平をどのように正すのか、桜井陣営が答えを出すべきだろう。

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柏崎市長選挙⑤

沈黙する反原発グループ  

2008.7.12.

会田市長は反原発グループを有力な支持基盤として誕生した。そして今年11月の市長選でも再選を期した選対幹事長は社民党市会議員である。にもかかわらず原発再稼動を含む原発と柏崎の共生共存について反原発グループらしき発言が聞こえて来ない。反原発グループは柏崎のオピニオンリーダーであり論客も多士済々であると評価されているのに、この沈黙は何故だろう。

会田後援会パンフレットには「スピード感ある復興へ 引き続き全力投球します」を筆頭に6項目の重点事項が掲げられているが、原発関係は最終項目で「原発と柏崎市」として取り上げ「①重要な基幹産業のひとつ原子力発電所とは共存を図ります。②運転再開に向けては、東京電力・国に安全確保を厳しく求め、相互の信頼関係を確立します。(原文のまま)」と簡単に書かれているだけである。

これだけの公約なら原発推進派が震災による原発停止の事態を受けて立ちすくみ、有効な説得の理論も手段も見当たらないため、原発問題は頬かむりして通り過ぎるべくおざなりに書いたものだ。と言われたら「あア そうか」と納得する文章である。とても反原発グループが支持する市長候補の公約とは考えられない。

反原発グループは柏崎市民から常にある一定の支持を受けている。その理由の一つは原発利権と闘うクリーンな団体・組織のイメージがあるからだろう。全国の有権者が社会党を支え今はほそぼそとはいえ社民党を支えている事と同心円である。

 支持層を持ち説明能力のある論客が居るのだからこの公約の説明が必要ではないか。しかも反原発団体は廃炉や凍結を求めて市民運動をしている。行っている活動と市長選対応の整合性が次第に問題として浮かび上がって来るだろうが、正面切った説明が聞きたいとする声はある。

 説明よりドンブリ勘定を伝統的に得手とする保守系政治家でも最近はマニフェストなる言葉に気を配る。

柏崎の選挙通Aいわく「反原発グループは会田陣営以外に行き場がない、陣営内の保守系に発言を封じ込まれている」選挙通Bいわく「市政与党の甘さを知ったから離れられない」。

石油資源から原子力発電へと世界の潮目は変わりつつある。だからと言って原子力発電に伴うさまざまな恐怖が解決されたわけではない。反原発団体が長い間に培ってきた知恵と知識を原発再稼動の旗印に掲げた会田陣営で発揮してこそ特色ある柏崎刈羽原発をアッピールできるのではないだろうか。

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柏崎市長選挙④

盛り上がらない柏崎市長選挙  

2008.7.11.

11月の投票日まで余すところ4ヶ月だが、選挙戦の盛り上がりが感じられない。中越沖地震から1年、地震がもたらした道路や家屋の被害は中越地震や岩手宮城内陸地震が示すように地震の典型的パターンである。大地震に上乗せされた中越沖地震の特殊性は原子力発電基地が被災し発電は完全停止し1年たった今も再稼動の見通し立たない深刻な状況である事だ。

もう一つの特殊性は農業被害である。新聞・テレビが報道しないから注目されないが、柏崎刈羽の稲作の中心は70歳前後であるから5年以内には稲作から引退する状況にあるが後継者がいない。中越沖地震はそこを襲い農機具や作業場を壊した。これは高齢農業者の引退を前倒して農業の構造変化を引き起こす。

この二つの特殊要因はいずれも まだまだ柏崎 や 頑張ろう柏崎 の標語のように個人の努力とか自己責任で解決の出来る問題ではない。地域住民に共通する生活と経済の基盤をどのように作るか、という政治の仕事である。

通常の市長選挙とは一味も二味も違った選挙であるにもかかわらず市民の市長選に対する関心が薄い、盛り上がっていないと言う声が聞こえてくる。

その原因は会田陣営と桜井陣営が政策以前のところで支持勢力を固める戦術を取っているからではないか。それを裏付けるように某実力者は「原発問題を取り上げるのに腰が引けているのではないか」と語っていたし、また自民党の柏崎・西山・高柳の各支部の不一致が政策の違いによるとも思えない。

政策を後回しにして人脈で勢力固めをすれば勝ち馬探しの選挙になり、有権者はしらけるだけだ。このままであれば次期市長は会田市長か桜井市長である。新市長は柏崎市民の利益を守るために原発再稼動をめぐって東京電力や政府ときわどい折衝をしなければならない。政策を市民に問いかけ、選挙に市民の意向が強く反映した新市長であってこそ交渉の重い責任が果たせる。

原発の再稼動の安全と安心とは何かを具体的に示し、崩壊しようとする農村を立て直す具体策を示した選挙戦に移るのは何時か。注目される。

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柏崎市長選挙 ③

原発再稼動で対立軸を明らかに 2008.6.12.

柏崎市は財政危機で行政サービスの低下は避けられない、と会田市長がたびたび表明している。原発が止まって受け取った事業税の還付という予期せぬ支出さえある。長期財政見通しでは平成11年の原発再稼動を見込んでいるが、原発再稼動の予定表はあっても計画通りに進む性質の事柄ではない。原発建設計画がありながら白紙撤回した巻原発計画の例もある。だが現実の市政を担う会田市長は財政のつじつまを合わせなければならない。窮余の策が平成20年原発再稼動のよる税収の確保であろう。

ノドから手が出るほど欲しい原発関連税収と、伸び続ける電力販売を抱え一刻も早い原発再稼動を願う東京電力。しかも石油価格の高騰と二酸化炭素の環境問題も悩みのタネで再稼動予定表があっても不思議ではない。(情報漏えいの形で公表されるから企業体質だ、東電は相変わらずだとなる。再稼動行程表が出来ていなかったら電力供給責任を問われるべき事である)柏崎市と東京電力の願いは原発再稼動で完全に一致している、しかも出来るだけ早期に・・・。

 ただ乗り越えるべき山がある。原発運転の「安全と安心」である。反原発派は会田市長の有力な支持基盤であるが、原発反対の叫びはなく現実容認に傾き市長の原発早期再稼動にも異を唱えていない。会田選対幹部の話では国と東京電力と柏崎市(刈羽村・新潟県含)3者の信頼構築に向けて努力している、との事だけで「安全と安心」の具体的な条件は固まっていないようだ。信頼を裏切ったのは国であり東京電力である。裏切られたのは柏崎市である。認識がおかしい。

 桜井陣営は公式発表したものではないが、地震復旧、復興に対して公共インフラ(道路・学校・集会場・ガス・水道)の経費、焼く400億円は国で賄うべきとの主張があるようだ。

後援会広報を見る限り会田陣営も桜井陣営も震災復興をトップに置き、以下いろいろなキャッチフレーズを並べ原発をその中の一つとしているが、市民が一番知りたい事は新市長が原子力発電所とどう向き合い、原発立地の柏崎市として国に何を求めるかであろう。企業活動するにも生活するにも原発立地地域であることのリスクがある。企業はリスクに見合うリターンを求めるし、生活する市民は日常で原発と隣りあわせで住む不安の見返りを求めて当然である。

原発のある場所に住むリスクとは何か。たとえば「僕は結婚したら柏崎に住むけど原発があるんだ」とプロポーズした時、原発の一言がプラスかマイナスかと思案をめぐらす事ではないか。

 「安全と安心」について桜井話術でどの様に市民を口説くか説得するか、会田話術でどう語りかけるか、対立軸を鮮明にして欲しいのが市民の願いだろう。

原発を争点からはずした選挙などありえないしあってはならない。

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柏崎市長選挙②

分裂する自民党   

2008.6.4.

柏崎市に自民党支部が三つある。柏崎市と西山町と高柳町に会田陣営と桜井陣営はそれぞれの支部に推薦願いを出した。柏崎支部は桜井氏を推薦したが西山町と高柳町の両支部はいずれの推薦も見送った。自民党3支部の対応がバラバラになった事に11月の市長選挙の特徴が現れている。

自民党員のほとんどは会田氏に反原発の懸念を持っていないし、会田氏も原発早期再稼働が望ましいとの発言をしている。泉田知事が原発廃炉を選択肢として残しているのに比べ、会田市長の踏み込んだ発言は際立ち原発対応の輪郭が見え始めた。支持者である反原発派を陣営内の左の極に位置づけながら、保守層に食い込んで勢力を広げる事を選んだと言える。

桜井氏は柏崎支部の推薦を取り付けたとはいえ、合併で新しく市長選挙に一票を投ずる西山町と高柳町自民党がまとまらないのは、柏崎支部の自民党員も強力に一致団結できていないと想像できる。強固な支持基盤である商工業界を足場にしながら、農業者も含めた生活者に支持層を広げるいかなる原発政策を打ち出すか興味のあるところだ。

選挙戦のすべりだしとはいえ原発賛成・反対の伝統的構図は崩れた意味は大きい。柏崎刈羽原子力発電所に市政がどのような取り組み方をするのか、いまある現実を踏まえて市長選挙を争う候補者の政策、原発共生の仕方が争点になっている点に注目したい。

分かりやすい争点を掲げ市民の審判を仰ぐのは「原発再稼働」である。「安心と安全」は市民も政治家も東電も唱えている。だがそれぞれがそれぞれの思惑を持っている事を市民は知っている。会田色の安心と安全とは、桜井色の安心と安全とは・・と説明する選挙戦になると予想する。地域住民が納得し地域外の経済人に評価される「安心と安全」でなければならない。そして域外の人が住みたくなる柏崎になれたら最高である。新潟産業大学の調査によれば子供の気持ちは年齢とともに柏崎に住みたくない意識が強くなると発表された。貴重な調査であるが、この意識調査の突きつけているものは重い。

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原発容認の舞台で競う柏崎市長選挙

原発容認の舞台で競う柏崎市長選挙 2008.5.29.

原発のある柏崎 中越沖地震で崩れた柏崎で今年11月に市長選挙が行われる。

柏崎の最大産業は810万キロワットの発電力を持つ世界一の原子力発電である。

昨年7月の地震で原発は止まり盛夏の電力供給が心配され、今は石油価格の高騰や二酸化炭素の環境問題から原子力発電評価の順風が吹いている。その原発の是非をめぐって賛成派と反対派が対立してきた構図が変わろうとしている。

原発は完成し日本の産業構造で重要な位置を占めているにもかかわらず賛成派と反対派が角突きをしている。だが市民の大多数は810万キロワット発電の現実を前に両者の対立を冷めた目で見つめている。なぜなら放射能漏れだけでなく、風評被害とも違う原発立地というリスクと原発がなければ地域生活が成り立たない事実を肌で感じるジレンマがあるからだ。

これまで市長選挙は柏崎商工会議所・青年会議所系が賛成派の核となり、一方は反原発3団体系が反対派の核となって運動が展開されてきた。先回200411月は四選を目指した西川正純氏と市会議員を辞した桜井雅浩氏と長岡市幹部職員から転身した会田洋氏の三者で争われた。西川氏と桜井氏が賛成派で会田氏が反原発系と色分けされた。結果は会田洋17000、西川正純16200、桜井雅浩15100で反原発3団体を母体とした会田陣営が保守分裂の間隙を突いた勝利となった。

反原発派に支えられて誕生した新市長ではあったが、市財政も市民経済活動も東京電力柏崎刈羽原発が組み込まれている現実の前に会田市政は原発容認に傾いていった。しかも一年前の中越地震の災害復旧が特殊要因として市財政を圧迫していた。反原発派は自ら誕生させた会田市長が原発共存へと右旋回しても市長擁護の姿勢を崩さず市議会でも反原発的発言を自粛した。こうした流れの中でさらに昨年中越沖地震に襲われ、市民生活も市財政も大打撃を受け原発も止まった。会田市長は財政非常事態を宣言し市四役から職員まで給料削減を実施している。

3月桜井雅浩氏と会田洋現市長が相次いで今年11月の市長選挙に名乗りをあげた。今のところ第三の候補予定者はなく会田市長と桜井雅浩氏の一騎打ちになる見通しである。反原発派が会田市長支持であるから革新と保守の戦いにも見えるが、会田陣営と桜井陣営の双方から自民党柏崎支部に推薦願いが出された事から伺えるように(結果は桜井推薦)、原発容認を共通の基盤として行われる市長選挙になる。

柏崎の不幸は世界一の原発基地でありながら原発賛成か反対かに単純化された論争が続いて、原発立地地域のメリット・デメリットを現実的に考え語る努力が霞んでいる事である。市長選挙は原発立地の自治体として市民としてどのように原発と向き合うのか、原発再稼働の条件は何か、安全と安心の具体策は何かと問われる事になろう。原発は人類に幸せをもたらさないと反原発派は叫び、エネルギー源として欠くべからざる原発だと唱える原発賛成派の論争は東京など電力消費地や非原発立地で行われるべきである。

原発と共存共栄する手法を会田市長と桜井雅浩氏が公約として掲げ、その手法の違いが争点になる。この論争から市民は多くの事を学び感じて投票するだろう。市民を巻き込んだ熱い選挙戦の予感がする。原発賛成派10%反原発派10%で80%は浮動票の推測もある。両陣営とも新しい政治市場を切り拓くことになるだろう。

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