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減反と農協組織

減反廃止の風に立ちはだかる農協

2009.1.22.

減反廃止の風が勢いを増している。自衛隊の元締めを何回も経験している石破農相が火付け役だけに破壊力がある。農政が注目され百年に一回とも言われる世界金融危機を突破するのは農業改革だとする主張さえある。

減反など農政の失敗が食料の自給率と安全や信頼の低下につながり、農村の衰弱をもたらしているが、農政論議の興し方にも誤りがあったのだろう。農業がテーマとなって熱い論戦が起きても、農業政策として具体化し実施されると政策意図と違う展開になる。

古くは1961年の農業構造改革事業である。東京オリンピックを2年後に控え活気あふれる経済で食生活も変わると予想し稲作中心から農畜産物へと選択的拡大する『農業構造改革』をうたい上げた。食生活は変わったが農業生産は変化に対応できず過剰米を生み出し減反へと歩んだ。構造改革事業は次第に水田区画整理の代名詞に矮小化されていった。ミニマムアクセスの6100億円補助、コメ市場の機能停止、作る自由売る自由を宣伝した新食糧法の挫折など事例は沢山ある。まさに猫の目農政だ。

こうした結果を招来するのは当事者である農業者が政策論議に参加せず、しかも運用の監視機能が弱いことにも原因があるのではないか。農業に限らず産業界は個々の企業が政策論議に参加する事はなく業界組織が代表を送り、実情を伝えながら意見を述べる。農業の場合の業界代表は農協組織である。

農協は農業者が自らの利益を守る目的で出資して作った組合だが、組合員の農業者と農協組織の利害が一致していない局面が多くなっている。農協が票田をバックに組織の利害を前面に出せば、農業者に不利益な発案と政策運用監視になるだろう。しかも農協は農業と農村の隅々まで影響力の浸透した減反政策の執行者だけに重大である。

すでに減反廃止の風を遮るべく農協役員の幹部が発言を始めているし、マスコミの論調は農協の姿勢に成否がかかっている、と述べているところもある。減反廃止は農協の換骨奪胎であり、再生である。農協の発言に注目したい。

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