不況失業と就農
失業救済の緩衝地帯になれるか農業 2009.1.19.
低い食料自給率や高齢農業者など農業が注目されるムードに覆いかぶさるように、金融不安に端を発した世界的不況で職を失った人達の救済問題の受け皿に就農が浮かび上がってきている。
農村と農業は不況失業の一時避難の役割を果たした歴史がある。その頃の農業は労働力が人畜中心であり、自給自足色の濃い家族経営であった。その中に受け入れられる失業した身内が働くのはいまでいうワークシェアリングで、家族一人当たりの労働時間を減らしながら経営総収入は増えなかった。
今は機械化や農薬など技術の進歩で50年前より面積当たりの労働雇用は10分の1から20分の1に減り損益分岐点は高くなっている。総収入に占める労働貢献は少ないのである。
現在の社会は魚屋・肉や・八百屋に代表される「や」と名づく自営業は少なくなり職業は分業化・細分化して専門的になっている。農業は稲作技術や畑作・果樹栽培と呼ばれるように播種から収穫まで一貫技術である。職能が対照的に展開した50年間であった。
こうした点を考慮すると農村と農業が失業救済の緩衝地帯には成りにくいだろう。
だが林業は可能性が高く林業者と新規就業者相互にメリットがあるのではないか。外材におされて林業経営が成り立たなくなって久しい。間伐や枝打ちなどの費用が捻出できず管理されない数十年が過ぎ、このままでは良材の生産が危ぶまれる。細々とではあるが補っているのは市町村毎にある森林組合だ。林野庁が補助金で支えている。
農作物は一年完結の春夏秋冬の適期作業だが、林業の適期作業は数年から十年以上の幅があり四季を問わない。枝打ち間伐が遅れている杉林は多いしまだ作業適期である。しかも職人技ではあるが習得すれば年間就労できる。
国も社会も森林を保守管理する金と労力を他産業にまわして来たが、労力の有り余る今はチャンスではないか。各地の森林組合や旧緑資源機構の発言が待たれる。
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