原発容認の舞台で競う柏崎市長選挙
原発容認の舞台で競う柏崎市長選挙 2008.5.29.
原発のある柏崎 中越沖地震で崩れた柏崎で今年11月に市長選挙が行われる。
柏崎の最大産業は810万キロワットの発電力を持つ世界一の原子力発電である。
昨年7月の地震で原発は止まり盛夏の電力供給が心配され、今は石油価格の高騰や二酸化炭素の環境問題から原子力発電評価の順風が吹いている。その原発の是非をめぐって賛成派と反対派が対立してきた構図が変わろうとしている。
原発は完成し日本の産業構造で重要な位置を占めているにもかかわらず賛成派と反対派が角突きをしている。だが市民の大多数は810万キロワット発電の現実を前に両者の対立を冷めた目で見つめている。なぜなら放射能漏れだけでなく、風評被害とも違う原発立地というリスクと原発がなければ地域生活が成り立たない事実を肌で感じるジレンマがあるからだ。
これまで市長選挙は柏崎商工会議所・青年会議所系が賛成派の核となり、一方は反原発3団体系が反対派の核となって運動が展開されてきた。先回2004年11月は四選を目指した西川正純氏と市会議員を辞した桜井雅浩氏と長岡市幹部職員から転身した会田洋氏の三者で争われた。西川氏と桜井氏が賛成派で会田氏が反原発系と色分けされた。結果は会田洋17000、西川正純16200、桜井雅浩15100で反原発3団体を母体とした会田陣営が保守分裂の間隙を突いた勝利となった。
反原発派に支えられて誕生した新市長ではあったが、市財政も市民経済活動も東京電力柏崎刈羽原発が組み込まれている現実の前に会田市政は原発容認に傾いていった。しかも一年前の中越地震の災害復旧が特殊要因として市財政を圧迫していた。反原発派は自ら誕生させた会田市長が原発共存へと右旋回しても市長擁護の姿勢を崩さず市議会でも反原発的発言を自粛した。こうした流れの中でさらに昨年中越沖地震に襲われ、市民生活も市財政も大打撃を受け原発も止まった。会田市長は財政非常事態を宣言し市四役から職員まで給料削減を実施している。
3月桜井雅浩氏と会田洋現市長が相次いで今年11月の市長選挙に名乗りをあげた。今のところ第三の候補予定者はなく会田市長と桜井雅浩氏の一騎打ちになる見通しである。反原発派が会田市長支持であるから革新と保守の戦いにも見えるが、会田陣営と桜井陣営の双方から自民党柏崎支部に推薦願いが出された事から伺えるように(結果は桜井推薦)、原発容認を共通の基盤として行われる市長選挙になる。
柏崎の不幸は世界一の原発基地でありながら原発賛成か反対かに単純化された論争が続いて、原発立地地域のメリット・デメリットを現実的に考え語る努力が霞んでいる事である。市長選挙は原発立地の自治体として市民としてどのように原発と向き合うのか、原発再稼働の条件は何か、安全と安心の具体策は何かと問われる事になろう。原発は人類に幸せをもたらさないと反原発派は叫び、エネルギー源として欠くべからざる原発だと唱える原発賛成派の論争は東京など電力消費地や非原発立地で行われるべきである。
原発と共存共栄する手法を会田市長と桜井雅浩氏が公約として掲げ、その手法の違いが争点になる。この論争から市民は多くの事を学び感じて投票するだろう。市民を巻き込んだ熱い選挙戦の予感がする。原発賛成派10%反原発派10%で80%は浮動票の推測もある。両陣営とも新しい政治市場を切り拓くことになるだろう。
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