世界食糧状況と日本農業
中国餃子が警鐘を鳴らす・・
2008.2.18
餃子騒動が中国に依存する食を浮かび上がらせる中、小麦の30%値上げ報道が追い討ちをかけた。石油・鉄鉱石など資源争奪が伝えられマグロが中国筋に競り負けるなどと関連したニュースを思い出し、地殻変動かななどと嫌な連想がよぎる。だが国内の食糧産業の稲作農業は生産過剰で今年は新たな補助金を付けるなど一層の減反強化政策を取る。コメの生産を押さえ込む為に農協と行政は必死なのである。なにか日本列島だけ豊かな食卓が保証されていそうな錯覚をおぼえる。
だが農業の生産現場の実態はまったくちがって空洞化が進んでいる。コシヒカリで名高い新潟県の農業就業人口は60歳以上が73%で柏崎市刈羽村にいたっては83%にもなる。しかもそのうち70歳代が6割を占める。
農業技術が進歩したから農家の70歳は現役である。会社に勤めるかたわら農家を続けてきたから定年後は年金をベースに農業に専念した生活である。しかし近年10年で半値近くまで米価は下がったからこのライフスタイルが次の世代に引き継がれることはない。
柏崎刈羽で5500haの水田があり減反しながらも昨年は19200t(32万俵)のコメを生産している。国民一人の年間消費量が58kgだから331000人に供給している。減反がなければ430000人分のコメだ。農家を一戸ごとに見れば後継者はいないが、この生産基盤を守り発展させなければ生産設備を持ちながら従業員のいない工場になる。
農家は先祖代々の土地を手放さないから農地の集約が進まず大規模農業が育たないと言われてきたが、50ha農家もボチボチ現れてきた。数年のうちに地滑りのような農地の大移動が始まるだろう。農政は「集落営農組織」を受け皿として補助金で誘導しているが、資本主義経済で組み立てられた社会に協同体組織の営利事業は難しく過渡的な役割しか出来ないだろう。
65歳以上の住民が半分を超えると「限界集落」と呼ぶ。国語辞典では新語となっている。地域の共同体が維持出来ないのである。山村の崩壊は林業の衰退もあって構造的であり、農村も人口減と高齢化率のテンポは速くなる。自然の流れにゆだねるか、未来図を描いて積極的に改革するか。
中国餃子の騒動が示唆しているのは、農山村と農業の抱える苦しみ悩みが農山村住民だけのものではない事を示唆している。
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